「機動戦士ガンダムSEED DESTINY」の各話を簡単にまとめています。アニメは2004年10月9日から2005年10月1日まで放送され、全部で51話あります5(51話の中に総集編も含みます)。「機動戦士ガンダムSEED」の続編で、二年後の世界が描かれています。
01話-10話
まずは1話から10話です。ガイア、アビス、カオスがL4・プラント アーモリーワン(工業用プラント)から盗まれ、強奪犯をミネルバが追います。しかし、強奪犯は逃亡に成功します。この事件の矢先、テロリストによるユニウスセブン落としが始まります。ミネルバはこれを阻止しようとしますが、完全に粉砕することはできず、そのまま地球へ降ります。その後、ユニウスセブン落下事件をきっかけに、地球軍とザフト軍は戦争状態に突入します。
- 01怒れる瞳C.E.73.10.2
カガリとアスランがアーモリーワンに到着
カガリがデュランダル議長と会談(先の戦争で流出したオーブの技術および人的資源の軍事利用について)シンとステラの出会い
ガンダム強奪発生
強奪に巻き込まれたカガリとアスランがザクに搭乗
インパルス出撃
- 02戦いを呼ぶもの地球軍(強奪犯の母艦)とザフト(プラント)の戦闘が始まる
アウルの「じゃあお前はここで死ねよ」でステラが恐慌状態になる
議長がミネルバへ
レイのテレレー
インパルスがフォースシルエットに換装
強奪犯が宇宙へ逃亡
カガリとアスランがミネルバへ
ミネルバ発進
ネオ・ロアノークとシン&レイの戦闘開始
カガリがアスランと呼んでしまう - 03予兆の砲火シン&レイがネオと戦闘後、帰還
ボギーワン(ガーティ・ルー)の追跡が始まる
ルナマリアがカガリとアスランについて報告ゆりかご登場
ミネルバで議長とカガリの会話
カガリとアスランがミネルバを見学
シン「さすが奇麗事はアスハのお家芸だな!」
ミネルバがボギーワンを捕捉
カガリとアスランもミネルバのブリッジに入る
シンのインパルスとルナマリアのザクが発進
議長がアルラン・ザラの名を呼ぶ - 04星屑の戦場シンとルナマリアがボギーワン(ガーティ・ルー)へ向かうが待ち伏せされる
アスラン「デコイだ!」
ミネルバ前方のボギーワンが突然消える
ザフト軍のショーンとゲイルが撃墜される
ミネルバが背後をボギーワンに背後をとられ小惑星へ逃げ込む
ミネルバ座礁…アスランの助言で窮地を脱す
戦闘終了ユニウスセブンの軌道がずれている?
- 05癒えぬ傷痕ユニウスセブンが地球へ向かっている
デュランダル議長とグラディス艦長は大人な関係?ミネルバにユニウスセブンの一報が入るヨウラン「落ちた方がいいかも」
カガリがヨウランやシン達を怒鳴る
シンが過去を話しアスハへの恨みを吐露するジブリール登場
ユニウスセブンの落下は自然現象か?陰謀か?ユニウスセブンが片付いたあとジブリールはプランを実行するらしいイザークとディアッカ登場
(ユニウスセブン落下に関して地球軍とザフトは協力体制にある)カガリがひどく落ち込む
アスランが出撃を願い出て、議長が許可するイザーク率いる部隊がジンに襲撃される
ボギー1もユニウスセブン周辺に登場
シン、レイ、ルナマリア、アスランが出撃
- 06世界の終わる時ユニウスセブンでの戦闘
テロリストはザフト軍の機体でジュール隊を攻撃!シン達が応援に入るが…カオス、ガイア、アビスが参戦する
ボギー1は地球軍なのか?ミネルバがボギー1に連絡をとり説得ユニウスセブンの落下が報道される
キラとラクスが登場破砕作戦によりユニウスセブンが真っ二つに割れる。さらに細かく砕こうとする
アスラン、イザーク、ディアッカが無線で再会。相変わらずのキャラだが…すごく強い
カオスらが撤退(ミネルバの説得に応じたというよりも、地球の重力を気にしたらしい)
ミネルバが砕けたユニウスセブンと共に地球へ降下し破砕作戦を続けることになる
議長はミネルバを降りるがカガリは残る確実に破砕するためアスランがドリル注入作業を続行。シンが手伝うが、テロリストの邪魔が入る
テロリストの発言「なぜ気付かぬか!我らコーディネーターとってパトリック・ザラのとった道こそが唯一正しきものと!」にアスランが戸惑う
ドリルが発射されユニウスセブンは砕けるが…シンとアスランは破損したモビルスーツに搭乗したまま地球へ
- 07混迷の大地シンとアスランが帰艦しないが…グラディス艦長はユニウスセブン破壊任務を優先。ミネルバがユニウスセブンに向けてタンホイザーを発射
ユニウスセブンは砕かれたが破片は地球へ落下し被害が生じる
キラとラクスが子供達と共にシェルターへ避難するシンとアスランが無事にミネルバに戻る
議長のそばにラクスらしきシルエット…
ミネルバ太平洋に着水
シンがカガリに「やめろよこのバカ!」「えぇえまたぁ?」
(ザフトはユニウスセブンを破砕したが、テロリストもまたザフトの関係者だった。のんきなことを言っていたカガリにシンがキレた)デュランダル議長が地球支援を開始
ファントムペイン(ボギー1)はユニウスセブンでの出来事を撮影しており、ジブリールが写真を手に入れる。写真にはザフト軍の機体が写っている…ミネルバはカガリを送り届けるため、オーブへ向かう
ルナマリア、レイ、メイリンの射撃訓練。アスランが射撃の腕前を披露するラクス「嵐が来るのですね」
キラ「うん、わかってる」 - 08ジャンクションミネルバがオーブへ
ユウナ・ロマ登場。カガリに抱きつくラミアスとバルトフェルド登場
オーブは大西洋連邦との同盟締結を進めている…カガリは反対するが諭される
ミネルバはモルゲンレーテ(オーブの国営企業)の手を借りて修理作業を進める
ラミアスとグラディス艦長が握手、会話ミネルバクルーに対してオーブへの上陸許可が下りるかもしれない(実際に許可される)
アスラン、キラ、ラクスが海岸で再会翌朝、アスランがカガリにプラントへ向かう意志を伝える
アスランがカガリに指輪を渡して、キスするシンが河岸沿いの慰霊碑へ。亡くなった家族を思い出し涙を流す
シンがキラと海岸の慰霊碑でめぐり会う
アスランは宇宙へ
大西洋連邦と連合国がプラントに賠償などを要求 - 09驕れる牙地球軍が月面で核の準備を進める
プラント政府最高評議会で大西洋連邦の要求について議論が進められる
デュランダル議長は対話による解決という姿勢をみせるが、ジブリールはプラント攻撃に積極的地球連邦各国がプラントに宣戦布告
地球軍とザフト軍開戦
ハイネが少しだけ登場。イザークやディアッカも戦闘へ
地球軍の核攻撃
ザフト軍のスタンピーダーによって核は一掃されるラクス?登場。婚約者のアスランに抱きつく
- 10父の呪縛キラとラクスが地球から核の光をみる
アスランとデュランダル議長の面会。アスランがテロリストの言葉に悩んでいたため、議長は「テロリストは自分達の行為を正当化するため、パトリック・ザラという有名人を利用しただけ」と話す
アスラン、カガリ、シンなど多くの人々が核攻撃の事実を知る
プラント市民が核攻撃に対して憤る
偽者のラクス・クラインの登場により市民の怒りが静まるセイバー登場
議長がアスランをザフトに誘うアスランとラクス(ミーア)がディナーを共にする
ミーアは議長に誘われて偽ラクスになった
11話-20話
続いて11話から20話です。アスランがザフトに復帰し、キラのフリーダムも登場します。シンがSEEDを割って、艦隊をせん滅するエピソードもあります。
- 11選びし道プラントで積極的自衛権の行使が決まる
ジブリールが作戦失敗について責められるオーブではカガリが同盟締結に反対する
危険な相手だからこそ締結すべきなどと反論される
ユウナ・ロマが気持ち悪いザフト軍による降下作戦の準備が進められる
(ジブラルタルとカーペンタリアが地球軍に包囲されている)アスランがイザークやディアッカと再会
ディアッカ「おひさし」
(イザークとディアッカはアスランの護衛監視が任務)
三人でニコルやラスティの墓参りをする
イザークがアスランにプラント復帰をすすめるザフトの動きを察知したらしいバルトフェルドがミネルバに警告
オーブが大西洋連邦との同盟を締結
カガリがミネルバへ向かいシンとすれ違う。暴言を吐かれる
カガリがグラディス艦長に謝罪ミネルバがオーブから出航
ユウナ・ロマ「君を支える夫として」といってカガリにプロポーズ
アスランがデュランダル議長にアポを取る(ザフト復帰を決意した様子) - 12血に染まる海地球軍に取り囲まれたミネルバ
ザムザザー登場
シンのSEED発動
アスランがザフトに復帰
アスランがセイバーで地球へ
- 13よみがえる翼ラクスの命が狙われる
フリーダム登場
- 14明日への出航カガリとユウナ・ロマの婚礼
フリーダムがカガリをさらう
アークエンジェル登場
- 15戦場への帰還アスランはオーブへ向かうが拒否される
アスランがミネルバと合流
グラディス艦長がフェイスに
- 16インド洋の死闘水中戦
アスランがシンを二度もぶつ(殴る)
- 17戦士の条件スエズ攻略へ
- 18ローエングリンを討て!ローエングリンゲート突破作戦
- 19見えない真実ミーアのライブ
デュランダル議長との会食
- 20PASTシンの過去(回想)
トダカとの出会い
21話-30話
続いて21話から30話です。地球軍側についたオーブはザフト軍のミネルバと戦うことになります。カガリを乗せたアークエンジェルはオーブ軍を止めるために地球軍(ファントムペイン)およびオーブ軍とミネルバの戦闘に介入します。
- 21さまよう眸ハイネがミネルバと合流
シンが溺れているステラを助ける
- 22蒼天の剣ミネルバとオーブ艦隊の戦闘
フリーダムがミネルバのタンホイザーを破壊
- 23戦火の蔭カガリがオーブ艦隊の説得を試みる
ハイネ機がガイアに撃墜される
ハイネ死亡
- 24すれ違う視線ミリアリア登場
アスラン、キラ、カガリ再会
ルナマリアの備考
廃墟の強化人間開発ラボでレイが取り乱す
- 25罪の在処ラボの調査開始
禁止ワードでステラが暴走しラボへ出撃
インパルスがガイアを撃墜
- 26約束シンがステラをミネルバの医務室へ
ラクスが宇宙へ
- 27届かぬ想いラクスはエターナルへ
アークエンジェルがミネルバとオーブ艦隊の戦闘区域へ
- 28残る命散る命インパルスがアビスを撃墜
アウル死亡
フリーダムがセイバーを撃墜
シンがトダカの艦隊を撃墜
トダカ死亡
- 29FATESデュランダルの回想
回想の中でラウル・クルーゼ登場
- 30刹那の夢シンがステラをネオに引き渡す
31話-40話
31話から40話です。デストロイが登場し、デュランダル議長がロゴスに宣戦布告します。シンによってキラが撃墜され、議長に疑念を抱いたアスランが、ザフト軍から脱走しようとして撃墜されます。デスティニー、レジェンド、ストライクフリーダム、アカツキなどの後継機が続々と登場します。
- 31明けない夜シンとレイは懲罰房へ
デストロイ登場
- 32ステラデストロイとの戦闘
カオス撃墜
フリーダムがデストロイを撃破
戦場でラミアス艦長が負傷したネロを発見
ステラ死亡
- 33示される世界シンとステラ湖にて
シンとレイがフリーダムを分析
ロゴスへの宣戦布告
- 34悪夢エンジェルダウン作戦
インパルスがフリーダムを撃墜
アークエンジェルは海へ
- 35混沌の先にデスティニーガンダムとレジェンドガンダム登場
- 36アスラン脱走ミーアの助言によりアスランが逃亡を図る
アスランがメイリンと共にグフで逃走
- 37雷鳴の闇デスティニーとレジェンドの初陣
デスティニーがアスランの乗るグフを撃墜
- 38新しき旗ヘブンズベース戦
デスティニー、レジェンド、インパルスとデストロイの戦闘
ジブリール逃走
- 39天空のキララクスがデスティニープランを知る
エターナル発進
キラがラクスを救うため宇宙へ
ストライクフリーダム登場
- 40黄金の意志シンとレイがフェイスに
ジブリールがオーブでみつかる
ミネルバを含むザフト軍はオーブへ
ザフト軍とオーブ軍の戦闘
カガリがアカツキに搭乗
デスティニーとアカツキの戦闘
41話-50話
41話から51話(最終話)です。ジブリールが死亡しロゴスは壊滅。その後、議長がデスティニープランを宣言します。デスティニープランは人の役割を遺伝子で決定するという計画で、この計画にカガリが治めるオーブは反発します。一方、地球側の諸国はロゴスという指導者を失ったため迷走し、デスティニープランに対する立場を決めることができなくなります。
- 41リフレイン回想
- 42自由と正義と引き続きザフトとオーブの戦闘
ストライクフリーダムがインフィニットジャスティスと共に地球へ
ストライクフリーダムとデスティニーの戦闘
ドム登場
ネオがアークエンジェルを救う
カガリがユウナ・ロマをぶん殴る
アスラン出撃
- 43反撃の声ストライクフリーダムがデスティニーとレジェンドに苦戦
インフィニットジャスティスがフリーダムを援護
カガリの声明発表
ミーアがカガリの声明に割って入る
カガリの中継にラクスが登場
ラクスが偽物を告発
- 44二人のラクスレクイエムがプラントを破壊
デスティニープランが明かされる
- 45変革の序曲ミネルバがレクイエムを強襲
デスティニーらの活躍によりレクイエム破壊
レイのレジェンドがジブリールの乗る戦艦を墜とす
ジブリール死亡
- 46真実の歌ミーアからのSOSが買い物中のラクス達に届く
ミーアがラクスをかばって死亡
- 47ミーアミーアの過去
デュランダルがディステニープランを開始
- 48新世界へレイがシンに何があっても議長を信じろと話す
オーブの反発に呼応して月の地球軍が動き出す
プラントがレクイエムで月の地球軍を殲滅
レイはシンに自分がクローンであることを明かす
- 49レイアークエンジェルとエターナルがレクイエムのステーションワン(第1中継ステーション)の破壊へ向かう
レイはキラを生み出す過程で生まれた失敗作
シンが戦うことを決意する
ルナマリアとメイリンが戦場で再会
ネオの記憶が戻る
イザークとディアッカがアスランに加勢する
キラとアスランがステーションワンを破壊
メサイアのネオジェネシス発射によりオーブ主力隊が壊滅
シンとレイが出撃
- 50最後の力アークエンジェルとエターナルがメサイアへ
キラ、アスランとシン、レイが戦闘を開始
アスランとアークエンジェルはレクイエム破壊へ
キラのストライクフリーダムがレイのレジェンドを破壊
アスランがルナマリアのインパルスを破壊
シンがアスランとの戦闘を止めようとしたルナマリアに襲い掛かる
アスランがシンのデスティニーを破壊
- 51選ばれた未来ミネルヴァがアークエンジェルとジャスティスによって戦闘不能になる
ジャスティスとアカツキがレクイエムを破壊
フリーダムとエターナルがメサイアを破壊
キラとデュランダルが崩壊するメサイアの指令室で対峙
レイ、グラディス艦長、アウランも指令室へ
レイがデュランダルを撃つ
デュランダル、レイ、グラディス艦長はメサイアに残る
キラとアスランはメサイアを脱出
ラクスの呼び掛けによりザフトとオーブの戦闘停止
終戦へ
オノゴロ島の慰霊碑にシン、ルナマリア、メイリン、アスラン
そこへキラとラクスが現れる
アスランがシンにキラを紹介
キラがシンに「一緒に戦おう」と声を掛ける
51話でレイはメサイアに残り、爆炎の中に消えます。最後、グラディス艦長に「お母さん」と言っていますが、これはレイの母親がタリア・グラディスということではありません。どうやら、タリアに母性を感じ「お母さん」と言ったようです。直前に、グラディス艦長が息子の存在を明かしているため紛らわしいですが、艦長の息子はレイではありません。
神回
無難な選択と言われそうですが、第34話「悪夢」は神回だと思います。キラが負ける回です。フリーダム大爆発です。ラストでシンが、恍惚と勝利をかみしめるシーンも見どころです。
第36話「アスラン脱走」からの第37話「雷鳴の闇」も良いエピソードです。アスラン脱走、タイトルがわかりやすいです。アスランがザフトから脱走します。メイリンと一緒です。そして、37話で、シンのデスティニーとレイのレェンドに撃墜されます。ハイネやアウル、ステラ(デストロイ)など主要キャラの撃墜が描かれるエピソードは印象に残ります。
第13話「よみがえる翼」では、フリーダムが再び登場します。ザフトの部隊がラクス暗殺のため、キラ達の家に侵入し、キラは再びフリーダムに乗り込みます。なんだかウルトラマンみたいな展開のエピソードです(最初は銃撃戦で、そのあと、モビルスーツ戦になります。)
話数 | タイトル |
---|---|
34話 | 悪夢 |
36話 | アスラン脱走 |
37話 | 雷鳴の闇 |
13話 | よみがえる翼 |
感想
アニメが放送されたのは、2004年10月9日から2005年10月1日までだったようです。私、テレビで見ていました。前作SEEDの主人公・キラが、Destinyの主人公・シンにやられるシーンがあるのですが、あのとき、ブラウン管テレビを掴むような勢いでみていました。死んだと思ったよ。次回予告にキラが登場していましたが、どうなったのか気になって、夜も眠れませんでした(これは誇張ですが)。当時、シンがあまり好きではなかったです。キラとの戦闘を経て、より一層、きらいになった気がします。シンは、その後、アスランとメイリンちゃんも撃破するので、私の中で、炎上主人公みたいになります。
あれから20年弱が経過し、久しぶりに見ています。放送当時、あまりいい評価は受けていない印象でしたが、面白いと思います。20年もたつと、ロボットに興味はなくなってきました(老化と呼ぶのかもしれない)が、それでも楽しく見ています。キラとアスランの撃破がハイライトではないかと思いつつ、シンもいいキャラだと思います。
考察
いい人にみえた議長ですが、その野望は、コーディネーターが支配する世界を作ることにあったと思います。キラ達は、ラクス暗殺がきっかけとなり、議長が胡散臭いことに気付いていました。ところが、偽者のラクスに気付かない人々は議長を信じ、その言葉に共感していたようです。のちに、議長にとって、ミーアもシンもアスランも、理想を成し遂げるための道具に過ぎなかったことが明らかになります。議長は、内政面においてミーアが、戦闘面ではシンとアスランが、その役割を果たすことのみを期待していました。このことに気付いたアスランは脱走を図りましたが、結局、反逆者として扱われてしまいます。
議長の推し進めたロゴスに対する宣戦布告は、市民やザフト軍の熱烈な支持を受けることになります。議長はうまくやって、ザフトが戦争状態に突入するよう仕向けたといえます。シンを含むミネルバのクルーは、ただの軍人なので、戦争に疑問を抱いたとしても、議長の指示に従うことしかできません。聡明なグラディス艦長は、議長の振舞いを疑っていますが、軍人として、そして、大人として、大きく道を踏み外すような行動はとりません。強力なパイロットであるシンも、アスランの言葉に説得されそうになりますが、レイという友人の存在が、シンを議長の望む役割から放しません。結局、シンはエースパイロットのままで、つまりこれは、議長のような権力をもつ大人に、いいように使われたといえます。
生まれる前の人間を操作するのはよくて、生まれてから人間を改造するのは悪いのか、という地球軍の主張があっても良さそうですが、物語の中では、地球軍が極悪非道にみえます。これは地球軍という悪者を演出するために、議長が一般市民にみせたいものをみせたとも考えられます。そう考えると、ザフトも何をやっているかわからないわけです。どっちがいいか悪いかは判断できないわけですが、いずれにしても、二つの民族(コーディネーターとナチュラル)の溝が埋まることはないように思います。どちらかが死滅するか、どちらかがもう一方を完全に支配するまで争いは続きそうです。ただ、オーブは共存を掲げていました。どう考えても、共存の道こそが平和で望むべき未来だと思いますが、コーディネーターとナチュラルが互いに抱く憎しみは、そう簡単に消えるわけではありません。
議長は表面的には平和を望む指導者にみえますが、やはり、コーディネーターだけの世界を作り上げるという野望があったと思います。邪魔なのは、地球軍と中立的な立場をとるオーブ(カガリ)です。ただ大義名分がなければ、軍人も市民も納得しません。ユニウスセブン落としも、もしかすると、議長が裏で手を引いていたのかもしれません。ユニウスセブンの事件が戦争突入のきっかけとなり、その後、ロゴスへの宣戦布告まで発展してしまいました。ガンダム強奪も、種をまいたのは議長といえます。