『ファミコン探偵倶楽部 笑み男(えみお)』の真相です。ストーリーのあらすじ、結末、真犯人(笑み男の正体など)を簡単にネタバレありでまとめています。ネタバレ内容がメインですので、閲覧の際はご注意ください。
あらすじ
ある朝、遺体となって発見された男子中学生・佐々木英介。彼の亡骸には、不気味な笑顔が描かれた紙袋が被せられていた。その姿は、18年前に起きた「連続少女殺人事件」の被害者、そして、『笑み男(えみお)』という都市伝説の犠牲者に酷似しているという。泣いている女の子の前に現れ、その命と引き換えに笑顔の紙袋を与えるという、不気味な噂話の起源とは……?空木探偵事務所は総力をあげて、この奇怪な事件に挑むこととなった。
任天堂公式ホームページ
登場人物
- 主人公
空木探偵事務所の探偵助手。警察からの要請を受け、佐々木英介の事件の調査をすることに。明るい性格で、どこかかわいらしさすら感じるが、根気強さや勘の鋭さも持ち合わせているようだ。- 橘あゆみ
空木探偵事務所のもう一人の探偵助手。主人公と共に佐々木英介の事件の調査を行う。真面目で優しい性格だが、聞き込みの腕はさすが探偵助手といったところか。- 空木俊介
空木探偵事務所の所長。これまでにも数々の事件で警察に協力をしている私立探偵。18年前に発生した「連続少女殺人事件」の調査も行っていたようだが……。- 佐々木英介
被害者。南第三中学校の三年生。香福市の排水ポンプ場で遺体となって発見された。頭には、笑顔が描かれた紙袋が被せられていた。- 笑み男
泣いている女の子の前に現れ、永遠の笑顔をあげると言って殺してしまう都市伝説上の人物。殺された女の子は、笑み男と同じ笑顔の描かれた紙袋を被せられたまま、その場に置き去りにされるそうだ。- 鎌田公晴
香福警察署の警部。久瀬純子、神原大輔の上司にあたる。空木俊介とは古くからの知り合いで、共に18年前の「連続少女殺人事件」を調べていた。佐々木英介の事件で、空木探偵事務所に応援を頼んだ。- 久瀬純子
香福警察署の刑事。佐々木英介の事件を担当。神原大輔とはコンビを組んで行動している。自他ともに厳しすぎる、仕事人間。周囲へのあたりも強いが、それも真面目さゆえ。- 神原大輔
香福警察署の刑事。久瀬純子と共に佐々木英介の事件を担当する。チャラチャラしているように見られがちで、久瀬にしょっちゅう怒られている。鼻がいいことが自慢。- 福山翼
南第三中学校の新米教師。会話をする時の距離が妙に近い。爽やかで、生徒たちから好かれそうな印象だが、ある話題になると途端に様子がおかしくなるようだ。- 森本めぐみ
南第三中学校の三年生。佐々木英介の幼馴染で、滝口康平とは小学校からの友人。佐々木英介の遺体が発見された日から登校しなくなったそうだが……。- 滝口康平
南第三中学校の三年生。佐々木英介や森本めぐみの友人。学校では、森本めぐみを巡り、佐々木英介とトラブルになっていたかのような噂話がある。- 笑子ママ
香福駅前繁華街にある「すなっく笑子」のママさん。10年以上、一人でお店を切り盛りしている。つまみ系の料理が得意。- 久瀬よし江
久瀬純子の祖母。現在は「リラクス紫子村」という老人ホームで暮らしている。幼い頃に両親を亡くした久瀬兄妹の母親代わりとして彼らを育てた。- 久瀬誠
久瀬純子の兄。18年前の「連続少女殺人事件」と同時期に行方不明になってしまったらしい。「連続少女殺人事件」との関連性は不明。- 行方不明の男
18年前の「連続少女殺人事件」の最中、自宅に多量の血痕を残して姿を消した人物。任天堂公式ホームページ
ネタバレ
笑み男の正体
笑み男の正体は都筑実でした(誰それ?と思う方もいるかもしれません。物語の序盤では行方不明の人物として登場します)。
都筑はアルコール依存症の父から妹を守るという、いわば劣悪な家庭環境で育っています。ある時、大事な妹が父親の虐待によって亡くなってしまい、都筑実は父親を殺害することになります…。この事件がきっかけで都筑は少年院で過ごすこととなり、出院後、轟モータースで働くことに。
更生したように思えた都筑ですが、おかしくなってしまい、顔面を自ら整形し、泣いている女の子に声を掛ける『笑み男』になります。つまり、都市伝説『笑み男』の正体は都筑実だったわけです。
都筑は18年前の連続少女殺人事件の犯人で、最初の被害者となった綾香の父親も殺しています。綾香は都筑の妹(笑実子)と同様に実父から虐待を受けていました。都筑実は綾香を妹のように思い、綾香の父親を殺したわけですが…、綾香には異常な愛情と捉えられ、拒絶されてしまいます。この事件がきっかけとなり、都筑は『笑み男』へと変貌していきます。
英介事件の真相
ポンプ場で発見された佐々木英介は自殺です。『笑み男』の仕業にみせたのは、久瀬純子刑事でした。自殺を他殺に偽装した理由は、笑み男の事件を蘇らせ、自身が捜査に加わるためです。
久瀬刑事は『笑み男』事件のいわば被害者でした。
実は久瀬は、幼い頃、笑み男に声を掛けられています。このとき、久瀬の兄・久瀬誠が助けに入ったため、久瀬純子は犠牲者にならず済みました…。しかし、代わりに誠が笑み男に連れ去れてしまいます。その後、誠は笑み男によって育てられることになります。
結末
久瀬刑事は廃村で兄の誠を発見しますが、一緒にいた笑み男(都筑実)に殺されそうになってしまいます。この窮地を救ったのは、記憶を取り戻した誠でした。しかし、誠は錯乱状態に陥ってしまい、今度は妹の久瀬刑事を襲います。最終的に、神原刑事が現れて仲裁し、久瀬刑事も誠も助かります。ちなみに、久瀬純子刑事と神原刑事は結婚します。
その他
- 都筑実の妹・笑実子は村の人に笑実男と呼ばれることもあったらしい(『笑み男』の語源的なこと)
- 英介に使われた紙袋は18年前に起きた二件目および三件目の紙袋と同じ材質だった
- 四件目の被害者になるところだった久瀬純子は紙袋を手に入れたと考えられる。そしてこの紙袋を18年後に英介に被せた
- 紙袋は二種類存在する。連続少女殺人事件の一件目で使われたのは都筑実が妹の笑実子を笑わせるために使ったもので、二件目以降とは材質が異なる
感想
難易度はそれほど高くないと思います。前作や前々作よりも親切設計になっている印象でした。セーブやスキップ機能などが充実しています。ダンガンロンパみたいなアクション系・リズム系の要素はこれまで同様ありません。
時々ゲームオーバーになることもありますが、残機ゼロの絶望的なゲームオーバーというよりも、小ネタをみつけた感じになりますので、発見の喜びの方が強くなりそうです(私がみつけたものは、一応ゲームオーバーと表示されましたが、すぐに続きから再開できました)。
クリア時間は8時間くらいでした。ちなみに、プレイスタイルは「とりあえず進める」という感じです。ゆっくりプレイしたり、あれこれ試しているともっと時間がかかると思います。
ストーリー
ストーリーは結構複雑ではなかったかと思います。死体でみつかった英介の死に、連続少女殺人事件や笑み男が絡んできて、序盤では、さらに謎めいた事実も判明していきます。そんな感じでいろいろ起きるわけですが、混沌とした状態であれこれ推理してみるのが楽しみのひとつだと思います。
最終的に、すべての事件について筋の通った真相が語られ、納得感があります。そもそもおかしい部分を探してみたり、細かいところをツッコんでみるのも、楽しみ方の一つだと思います。
何を隠そう、その他の細かい部分までわかったわけではないので、結構楽しめました。解けた喜びも味わいつつ、ミステリー特有の「だまされた!」みたいな感触も得られました。
ミステリーになじみのない方の感覚は計り知れませんが、ミステリーファンの方にとっては、そこまで真新しいトリックではないと思います。ただ、ファミコン探偵俱楽部というシリーズものの第三作であることや、都市伝説がテーマになっていることなどは、楽しめるポイントではないかと思います。
結末について
公式動画で「結末は人によっては賛否が分かれるかもしれません」と開発者の方が語っていました。これについては、結末の内容に触れますので、下記のボックス内に書いています。
ゴジラはだいぶSFですが、親の教育方針によって殺人者になってしまうというのは、実際にあります。こういった事実やフィクションを知ると、よく考えずに早とちりして「虐待を受けた人は絶対に殺人鬼になる」という偏見を生み出してしまう人もいます(偏見が生じるのではないか?という疑問は優しさにみえるが、むしろ、その人が偏見を生んでいる)。ちなみにイーロン・マスクは幼少期に虐待を受けていたと自著で告白していたりします。
淡々と事実を受け入れるだけであれば、特に賛否はないと思いますが、とても残酷な事実ですので、人によっては気分を害するかもしれません。