『ファイナルファンタジーX-2(FFX-2)』は2003年にPlayStation2用ソフトとして発売されたスクウェア・エニックスのRPGソフトです。『ファイナルファンタジーX(FFX)』の正当な続編であり、シリーズ初の直接的な続編として注目を集めました。物語はFF10から2年後、ユウナがティーダに似た青年が映ったスフィアをみて、再び旅に出るところから始まります。
あらすじ(ネタバレ注意)
「シン」が消滅し平和が訪れたスピラ――ユウナはビサイド島で静かに暮らしていた。
しかし、リュックが持ってきたスフィアで、ティーダに酷似した青年が映っているのをみてしまう。そして、その真実を知るためにスフィアハンター集団〈カモメ団〉の一員として再び旅に出る。
旅の過程で、ユウナたちはスフィアに映っていた青年が1000年前のザナルカンドの人物・シューインであることを知る。
シューインは、恋人レンの死に絶望し、スピラを滅ぼすために巨大兵器〈ヴェグナガン〉を起動させようとしていた。このヴェグナガンは、1000年前の機械戦争時代にベベルが開発した制御不能な兵器で、敵意を感知すると暴走する欠陥を抱えていた…。
シューインの影は、ヌージやバラライといった主要人物に取り憑き、ヴェグナガンを目覚めさせようと暗躍。ユウナたちは、シューインの暴走を止めるため、そしてヴェグナガンを破壊するために戦う。
雷平原でのコンサートでは、レンの想いが宿った「1000の言葉」をユウナが歌い、散り散りになりつつあったスピラの人々を一つにまとめ上げる。
最終的に、ユウナはヴェグナガンを追って異界へと突入し、シューインと対峙する。レンの想いをシューインに届けることで、彼は正気を取り戻し、レンの幻影と共に異界へと旅立つ。ヴェグナガンも破壊され、スピラには真の平和が訪れる。
(エンディングはプレイヤーのコンプリート率によって分岐し、特定の条件を満たすことでティーダが復活します。ユウナと再会す る感動的な結末を迎えることもできます)
補足
FF10-2はシンが消滅し、スピラに〈永遠のナギ節〉が訪れてから2年後の世界が舞台です。
かつてエボン寺院が隠蔽・改ざんしてきた真の歴史を取り戻そうとする〈真実運動〉が活発化し、各地でスフィアハンターと呼ばれる人々が歴史の手がかりとなる映像スフィアを探し求めています。この動きの中で、新勢力同士の対立が生まれています。
- 新エボン党
真実運動の提唱者であるトレマが設立したグループで、元エボン寺院の僧官や保守的な 人々が中心。ゲーム中ではバラライが党首を務める - 青年同盟
スフィアと共に消息不明となったトレマに不信感を抱いた元討伐隊員ヌージが設立したグループです。エボン寺院に強い抵抗感を持つ若者が主な構成員 - マキナ派
ジョゼ寺院を拠点とし、エボン寺院時代には禁忌とされた機械の研究開発を行うアルベド族のグループです。リーダーはギップルで、機械を通じてヴェグナガンの脅威に対抗しようとしている - スフィアハンター
映像スフィアの発見と解析が主な活動内容。カモメ団も一応スフィアハンター。エボン寺院によって隠蔽されてきた歴史の真実を追求する
登場人物
ネタバレ注意
- ユウナ(CV:青木麻由子)
本作の主人公。19歳。「シン」を倒した英雄としてスピラでは超有名人。前作とは異なり、快活でティーダのような言動をみせる - リュック(CV:松本まりか)
アルベド族の少女で、ユウナのいとこ。17歳。カモメ団のムードメーカーであり、ユウナを再び旅に誘った張本人です。とても明るい性格 - パイン(CV:豊口めぐみ)
クールな女剣士。18歳。物語の核心に深く関わる人物。2年前のアカギ隊選抜試験の記録員であり、ヌージ、バラライ、ギップルとは旧知の仲だった。過去の出来事から口数が少なく、クールな印象だが、意外にノリが良い一面もある - バラライ(CV:蘇武健治)
新エボン党の議長。20歳。穏やかな物腰で人々に信頼されている。元アカギ隊の候補生。後にシューインの影に利用されてしまう - ギップル(CV:鈴村健一)
マキナ派のリーダーであるアルベド族の青年。18歳。元アカギ隊の候補生。 ジョゼ寺院を拠点に活動し、機械の力でヴェグナガンに対抗しようとする - ヌージ(CV:神奈延年)
青年同盟のリーダー。21歳。片方の手足が義手、義足になっており、戦闘時はマキナ製の義手義足と拳銃で戦います。元アカギ隊の候補生で、シューインの影に取り憑かれた過去を持つ。その影響で「死にたがり」と言われるほど死を恐れない性格 - ルブラン(CV:安原聡美)
スフィアハンター〈ルブラン一味〉のボス。本編冒頭では偽ユウナとしてコンサートで歌を披露した。ヌージに惚れており、彼のためにスフィアハントを行なっている - シューイン(CV:森田成一)
ラスボス。1000年前のザナルカンドの青年で、ティーダによく似た人物。恋人レンを守れなかった後悔と、スピラへの絶望から、その負の感情が影としてスピラに留まることになる。ヴェグナガンを起動させてスピラを滅ぼそうとする - レン(CV:倖田來未)
1000年前のザナルカンドの歌姫で召喚士。恋人シューインを止めようとして共に命を落としてしまう。レンのシューインに伝えられなかった想いは、ユウナの歌姫のドレスフィアに宿っている
前日譚と後日譚
FF10-2には前日譚『永遠のナギ節』と、後日譚の『FINAL FANTASY X-2.5 ~永遠の代償~』があります。
『永遠のナギ節』はFF10とFF10-2の間に位置するショートストーリーで、『FINAL FANTASY X-2.5 ~永遠の代償~』はFF10-2のエンディング後を描いた小説です。
永遠のナギ節
ユウナの服装の変化など、10-2の本編に繋がる重要な前フリを含んでいます。このショートストーリーをみることで、ユウナのキャラクター変化について事情を知ることがでいます。(当時はFF10インターナショナル版のおまけディスクにしか収録されていませんでしたが、HDリマスター版には収録されています)
FF10-2.5 永遠の代償
FF10-2でティーダが復活した後の物語です。
ユウナと復活したティーダは幸せに結ばれるはずでしたが、現実はそう甘くありませんでした。二人は再会後すぐに引き離され、偉大な存在となってしまったユウナにティーダは近づくことも難しくなります。かつて共に旅をしたルールーやリュックは、ティーダを温かく迎えてくれると思いきや、かなり冷たい反応をみせます。
しかも、ティーダはブリッツボールに似た爆弾で首がもげて死んでしまいます。
そんな中、なんと「シン」が復活!ユウナはティーダを置いてひとりでシン討伐の旅に出ます。
FF10-2のエンディングでティーダは祈り子によって復活したわけですが、2.5で爆発によって命を落とします。ところが、その後、ユウナの強い想いで再び復活を遂げます。この世界では『召喚獣は自分の正体に気づいてはいけない上に、召喚士から想い続けられていなければ消滅してしまう』という設定があり、再復活したティーダはある意味ユウナに召喚されているような状態になります。
つまり、ティーダ自身が自分の正体に気づいてしまう、もしくはユウナから想われなくなると消滅してしまいます。最終的に、ユウナがティーダに冷たく当たったのは、まわりまわってティーダのためだったという形で終わります。
なお、これと同じようなストーリーが、1000年前の機械戦争の話として小説に登場します(戦士ヴァルム、召喚士のクシュ、イファーナルという3人の壮絶な人生)。また、小説のラストはto be continuedで締めくくられており、『FFX-3』を予告するような終わり方になっています。