「犬夜叉-よみがえる物語-」は2020年3月5日14時からスタートした犬夜叉のスマホゲームです。版権の問題で長期メンテナンスに入り、そのままプレイできなくなっています。
概要
アプリを開発したのはハンマーエンターテイメントという韓国の企業で、この企業は、犬夜叉の著作権を取得しゲームを開発、販売していました。この権利に関する契約が、2020年12月28日に終了となり、その後、なかなか延長することができず、臨時点検状態(メンテでログインできない状態)が続きました。
そして結局、サービスが再開することはなく、サ終となりました。この一件に関して、開発元のハンマーエンターテイメントはデウォンメディアという企業に対して訴訟を起こしています。
権利問題の経緯
ハンマーエンターテイメントにおいて、犬夜叉の権利は2020年12月28日に切れました。しかし、ハンマーエンターテイメントは、権利延長を前提にして、犬夜叉のサービスを続けていました。
著作権を保有する会社
デウォンメディアは犬夜叉の権利を保有する韓国の企業です。これはライセンスを持っているという意味であり、犬夜叉の版権(著作物を複製・販売する権利)は日本の企業が保有しています。
ハンマーエンターテイメントの発表によると、もともとはディーズ・アークという同じく韓国の企業が日本の企業(小学館集英社プロダクション)と著作権の契約をしていたようです。ゲーム開発会社であるハンマーエンターテイメントは、ディーズ・アークと契約し、犬夜叉ゲームの開発を進めていました。
ハンマーエンターテイメントはとディーズ・アークの契約は2015年12月でした。その後、2019年末に犬夜叉の著作権契約がデウォンメディアへと委譲されます。
開発遅延
2015年に版権が契約され、リリースは2020年でした。ゲーム系アプリの開発期間は通常半年から1年以上と言われており、5年という期間は異常な長さといえそうです。ゲーム開発会社と版権を保有する会社の連携が円滑ではなかったようです。
サービス終了
ハンマーとデウォンの契約は2020年の12月28日でした。その後も、ハンマーはゲーム配信を続けていましたが、2021年2月頃からメンテ状態となり、そのままサービスは終了してしまいました。なお、デウォンの日本企業との契約は2021年3月31日だったので、デウォンが犬夜叉の権利を侵害したということにはなっていません。
訴訟
その後、ハンマーはデウォンに訴訟を起こしていています。ハンマー側はデウォンが、業務上の立場(犬夜叉のライセンスを握っているという立場)を利用して、傍若無人に振舞ったと主張しているようです。
※ハンマー側の主張をもとにした内容となっています
了解と要請
ハンマー側の発表に、了解と要請というキーワードが登場します。
これは、ハンマーの著作権侵害に関する内容です。ハンマーは、デウォンとの契約が切れている状態でゲームを配信していたため、犬夜叉の権利を侵害していたことになります。これがもしも、デウォンからの要請で配信を続けていたならば、デウォンが容認したと主張できそうです。しかし、デウォンが了解したという文言になると、これは、ハンマーが配信継続を要請したような意味を含むことになります。
ゲーム内容について
いぬよみには、キャラボイスがない、ゲームコンテンツが少ないなどの問題点がありました。この原因は、ハンマーとデウォン(前任のディーズ・アークも含む)の関係が良好でなかったことにあるようです。